ごみ問題は、非常に身近な問題であり、自身の出すごみの量やリサイクルに気を配る人はいても、それ以上のことを想像できる人は少ないです。しかし、ごみの問題は、世界的な問題です。海洋汚染につながることはもちろん、先進国で出てきたごみは、処理の方法などが巡り巡って海外の国々に多大な影響をもたらすこともあります。今回は、ごみ山問題で苦しむケニアについて紹介します。
ケニア共和国は、アフリカ東部に位置する国で、その首都のナイロビはアフリカの中でも最も発展した国といわれています。かつてイギリスの植民地であり、その頃か発展しはじめました。暮らす人々の月収はおよそ6万円で、豊かな生活をする人も多いです。都心部には途上国とは思えないほどの高層ビルが立ち並ぶ上に、新車が道を走り、最新技術を搭載したパソコンやケータイを使用する人もいます。
ケニアの首都のナイロビは、アフリカの中でも比較的発展していますが、海外からの支援を欠かすことができません。それは、深刻なごみ山問題に悩まされているからです。首都のナイロビから、東ヘおよそ30分ほど行くと巨大なごみ山が見えてきます。ダンドラ・ダンプサイト(ごみ集積場)と呼ばれるこのごみ山は、敷地面積は約46ヘクタールにも及び、ナイロビ全土からごみが集まってきます。ごみの種類は多種多様で、プラスチックやペットボトル、金属をはじめとして燃料や資材が捨てられていることも多いです。悪臭や近隣河川の汚染などの問題が発生しています。
ケニアのごみ山問題は、簡単に解決しません。それは、ごみ山を生活の拠点とする人々がいるからです。ごみ山からプラスチックや金属を拾い、生活費に充てる人は多く、ごみ山をめぐって犯罪が起こることもあります。ごみ山問題の解決には、これらの人々の生活支援も同時に必要です。
ケニアの首都は、発展途上国とは思えないほどの発展を見せていますが、そのすぐ近くには広大な敷地面積を誇るごみ山が存在しています。世界各地から集めらえたごみが、正しく処理されず、汚臭や汚染、火事などの問題に発展していっています。このごみ山を生活の拠点としている人も多く、なかなか問題は解決しません。ごみの問題は、貧困問題とも密接に関わっています。