スペースデブリという言葉をご存じでしょうか、これは人間が生み出したねじなどの金属が宇宙を漂い続けている状態を指します。宇宙の問題なので関心度は低いのですが、実は現在のわれわれの生活にも大きな影響を及ぼしているものです。この記事では、スペースデブリがどんな影響を現在のわれわれと未来の子孫に与えるのか紹介します。
宇宙ごみの問題を語るうえで、日本のSFアニメの中にデブリの問題を取り上げた作品があります。その作品というのがプラネテスであり、現在から50年以上先の未来においてデブリ回収を仕事にしている職業宇宙飛行士の話です。この話の冒頭で、スペースデブリの恐怖が描かれるところから始まります。 宇宙に漂う一本のねじが、席に座っている子供の前宇宙旅客機の窓に衝突し亀裂が入ります。亀裂が入ったことを知らないまま宇宙の大気圏に突入した宇宙旅客機は、亀裂の入った窓が大気の摩擦熱に耐えきれずに大破します。そして膨大な熱が宇宙旅客機の内部を襲い、大気圏内で機体は大破し乗客が全滅するという凄惨な事故が描かれています。
未来を題材にしたアニメ作品なので現実味を感じないと思ってしまいがちですが、実はスペースデブリの問題は現在のわれわれの生活にも影響を及ぼしています。その被害というのが、宇宙に漂うデブリが地球に落ちることです。宇宙に漂うスペースデブリは時速200キロ以上の速度で地球上を周回しており、まれにデブリ同士がぶつかり合って軌道が変わります。 基本的にぶつかったデブリは大気圏で燃え尽きますが、まれにデブリが大気熱に耐え抜いて地球に落ちます。地球の重力によって落ちてきたデブリは時速300キロ以上の加速をするため、一本の小さいねじであっても軽く鉄板を貫く破壊力があるため実際に住宅に落ちて地面まで貫通するという事故が起きています。
スペースデブリの問題は実際に住宅を貫通する事故が起きており、もし運悪く人間に対して当たり所が悪い部分に当たれば即死は免れないです。この問題の根の部分は、やはり人間が後先を考えずに行動をした結果と言えます。アニメ作品におけるねじ一本が引き起こした旅客機の事故を現実にしないためにも、各国の宇宙開発局に働きかけて少しずつ回収する技術を作ることが重要です。